日時：2004年 6月 11-12日
内容：Janet Evans Invitational Swim Meet
場所：Charter All Digital Aquatics Centre
USA Swimming のGrand Prixシリーズの一つである、Janet Evans Invitational Swim Meetに行ってきました。これまではUSC(University of Southern California)で行われてきましたが、今年はアメリカのオリンピック選考会等を開催する予定の、ロングビーチに仮設されたプールにて開催されました。勝は11日に100Fr、12日は200Frに出場しました。
大会スケジュールは下記のようになっています。
June 10, 5 p.m.
Women's 800-Meter Freesytle, Final
Men's 800-Meter Freestyle, Final
June 11
8:30 a.m. - Prelims
Women's 100 Freestyle
Men's 100 Freestyle
Women's 200 Butterfly
Men's 200 Butterfly
Women's 200 Backstroke
Men's 200 Backstroke
Women's 400 Freestyle
Men's 400 Freestyle
Women's 400 Freestyle Relay
Men's 400 Freestyle Relay
5 p.m. - Finals
Women's 100 Freestyle
Men's 100 Freestyle
Women's 200 Butterfly
Men's 200 Butterfly
Women's 200 Backstroke
Men's 200 Backstroke
Women's 400 Freestyle
Men's 400 Freestyle
Women's 400 Freestyle Relay
Men's 400 Freestyle Relay
June 12
8:30 a.m. - Prelims
Women's 200 Freestyle
Men's 200 Freestyle
Women's 200 Breaststroke
Men's 200 Breaststroke
Women's 50 Freestyle
Men's 50 Freestyle
Women's 400 IM
Men's 400 IM
Women's 800 Freestyle Relay
Men's 800 Freestyle Relay
June 12
5 p.m. - Finals
Women's 200 Freestyle
Men's 200 Freestyle
Women's 200 Breaststroke
Men's 200 Breaststroke
Women's 50 Freestyle
Men's 50 Freestyle
Women's 400 IM
Men's 400 IM
Women's 800 Freestyle Relay
Men's 800 Freestyle Relay
June 13
8:30 a.m. - Prelims
Women's 100 Butterfly
Men's 100 Butterfly
Women's 100 Backstroke
Men's 100 Backstroke
Women's 100 Breaststroke
Men's 100 Breaststroke
Women's 200 IM
Men's 200 IM
Women's 1500 Freestyle
Men's 1500 Freestyle
Women's 400 Medley Relay
Men's 400 Medley Relay
June 13
5 p.m. - Finals
Women's 100 Butterfly
Men's 100 Butterfly
Women's 100 Backstroke
Men's 100 Backstroke
Women's 100 Breaststroke
Men's 100 Breaststroke
Women's 200 IM
Men's 200 IM
Women's 1500 Freestyle
Men's 1500 Freestyle
Women's 400 Medley Relay
Men's 400 Medley Relay
Prelimsとは予選のことですが、今回の大会は予選をA flightとB flightの二つに分けて行われました。A flightはエントリー上位56名でB flightはそれ以下となっており、午前中の予選はA flightの各種目を行った後B flightの各種目と、予選を二つに分けることについて事前の情報が良く伝わっていなかったため、（分かっていなかっただけかも）勝はアップのタイミングに戸惑いました。Klete Keller選手も良くかかっていなかったのかもしれませんが、100Frの予選が始まり自分のヒートになった時も観客席の控え場所におり、電光掲示板に名前が表示されチームメイトから指摘されて気が付いた時には既に遅く、100Frの予選を泳ぐことが出来ませんでした。掲示板とプールを交互に見て、「やっちまった」って感じで頭を抱えていました。その後Jon Urbanchekコーチからも一言二言何か言われていましたが内容は分かりませんでした。
(自分の泳ぐはずだった予選ヒートを呆然と見るKlete Keller選手)
話は前後しますが、11日は朝7時からのウォームアップにあわせて6時40分に指定の駐車場に行きましたが門が閉じたままで、駐車券には都合により場所が変わることもあると書いてあるので他の駐車場に行くと、係りの人がここは違うと言うので、仕方なく役員の駐車場の入り口で確認したところ今から指定駐車場を開けるとのことでした。もう一度戻ってみると丁度開門するところで、無事車を駐車し会場まで急いでいきました。選手入場のゲートでセキュリティーチェックがありましたが、並んでいるとクレデンシャルが必要とのことで、場所を聞いてクレデンシャル引換所に移動。受付で確認すると、まだクレデンシャルが届いていないとのこと。引換所の外でしばらく待っていると、ようやく担当者と共にクレデンシャルが届き無事クレデンシャルを受け取り、再度ゲートに並んだ時には7時15分でした。ゲートのセキュリティーチェックはかばんの中身のチェックと、金属探知機のチェックがあり、荷物には確認済みのリボンまでつける念の入れようでした。
(セキュリティーチェックの様子)
勝が入場したのを見届けた後、一般観客入場ゲートで開門の8時を待ちましたが、沢山の選手が続々と選手入場ゲートに向かっていました。その中にはオーストラリアチームもいましたが、彼らは7時30分頃の入場でした。しかしたまたまMichael Klim選手のスキンヘッドでオーストラリアチームと分かったのですが、Klim選手がいなければ見逃すところだったと思います。この写真を撮った後一緒に撮りたいと頼みましたが、前を歩いていた女性に一言「No!」と断られました。
(会場に向かうオーストラリア選手)
ロングビーチはカリフォルニアの南部に位置しますが、さすがに朝の気温は20℃を切り、水温も25℃以下のように思える冷たい水で、アップの時間にプールから上がってきた選手は腕を抱え寒そうにプールサイドを歩いていました。アップの時間はプールサイドに入ることが出来ましたので、近くで色々な選手を間近で見ましたが、背の大きさはアメリカの選手の方が大きいのですが、Thorpe選手やKlim選手の体の太さには驚きました。
アップが終了し100Frの予選が始まりました。予選はエントリータイム上位56人7ヒートをエントリーの早い順に泳ぐことになります。女子の100FrにはNatalie Coughlin選手、Lindsay Benko選手、Martina Moravcova選手、Gabrielle Rose選手が順当にA決勝に残りました。ちなみに予選トップはCoughlin選手の55.39で、先日の日本選手権の優勝タイムより速いタイムです。男子はJason Lezak選手、Ian Thorpe選手、Ryk Neethling選手、Klim選手などが泳ぎましたが、Klim選手は惜しくも9位でB決勝ですが、それでもタイムは50.70です。決勝はA決、B決、C決とありますが、A決のボーダーラインは50.68、B決は50.91、C決は51.18とハイレベルの予選結果です。C決勝のボーダーラインが日本選手権の決勝ボーダーラインと変わりませんから、レベルの高さが分かると思います。ちなみに予選のトップはLuis RojasというVenezuelaの選手で日本記録より速い50.10でした。予選上位3選手が日本記録より速く泳いでいます。
100Frの予選ではCoughlin選手が面白いキャップをかぶっていました。写真を撮れなかったので残念ですが、立体成型のゴムのおわん形をしたキャップで、耳の部分を押さえ込むようなベロが出ています。これをかぶれば、頭が抵抗の大きい形をした選手も、抵抗を減らすことが出来るかもしれませんが、かぶった姿は一休さんみたいでかっこ悪かったです。このキャップはClub Wolverineの選手も持っていてヘルメットと呼んでいましたが、Dan Ketchum選手もかぶって泳いでいました。
決勝は午後5時からスタートです。いつもの大会のようにまずはNational Anthemから始まります。その後エキシビションの50と２００メドレーリレーのレースがありました。メドレーリレーには歴代のオリンピックメダリストが出場していましたが、BaがJohn Naberさん、Brは？、FlyはKlim選手、FrはJanet Evansさんが泳いでいました。
女子100Fr
Coughlin選手がスタートから飛び出し、前半で体一つ近くリード。後半も差を少し広げ、54.47でゴール。２位以下を1.2秒も引き離しての優勝です。ちなみに決勝ではヘルメットはかぶっていませんでした。
男子100Fr
このレースはLezak選手が初めからリードし49.20で優勝。2位はThorpe選手で49.60．3位は49.99で泳いだNeethling選手でした。ちなみにNeethling選手はとても大きい選手で2mくらいあるんじゃないでしょうか。
女子200Fly
このレースにはMisty Hyman選手、Dana Kirk選手、Petria Thomas選手が決勝で泳いでいます。Hyman選手はドルフィンの時深く潜ることと、リカバリーからキャッチに入っていく時に、肩から水に突き刺すようにして泳ぐことが印象的でした。Kirk選手はサイドブレスを左右交互にし、両サイドの選手の位置を確認しながら泳いでいるようでした。優勝はKirk選手でタイムは2:08.40。2位はThomas選手で2:09.52。3位はFelicity Galvez選手で2:11.09でした。
男子200Fly
Tom Malchow選手が50mを過ぎた辺りからリードしましたが、最後の50mでスピードが落ち優勝はJustin Norris選手。タイムは1:57.47。Malchow選手は2位で1:58.15でした。Malchow選手は会場に入る際に少し話をしましたが、「この大会が僕にとって良い大会になるように願っている」と言っていました。サンタクララの時よりは暖かくなっているのでコンディション的には良いと思いますが感想は聞けませんでした。
女子200Ba
C決勝でMisty Hyman選手が泳いでいましたが、先ほどの200Flyから１６分後でした。それでもタイムは2:17.92ですから立派じゃないかと思います。ちなみにこの種目の大会記録は、ハギトモ選手が1997年に樹立した2:12.32ですが、今年の優勝者はKirsty Coventry選手でタイムは2:13.87でしたので破られることはありませんでした。
男子200Ba
優勝者はKeith Beavers選手で2:00.64のタイム。ちなみにこのレースの前に目の前にいるKlete Keller選手を観客席の後ろの方から「Klete!!!」と呼ぶ声がしました。誰かと思ってみてみるとLenny Krayzelburg選手が観戦に来ていました。見に来るくらいなら泳いでほしいと思いました。200Baが終わった後、すぐに帰って行ったのか観客席には姿が見えませんでした。
(200Baの決勝を見るKrayzelburg選手)
女子400Fr
Lindsay Benko選手以外の出場選手は、Aaron Peirsol選手の妹のHayley Peirsol選手と、Klete Keller選手の妹のKalyn Keller選手の姉妹対決です。この種目の世界記録はEvansさんが1988年に樹立した4:03.85です。16年も前の記録ですがすごいタイムです。優勝タイムはLinda MacKenzie選手の4:11.76。姉妹対決はKeller選手が征しました。Keller選手は800Frも優勝しており、兄より長距離が得意かもしれません。
男子400Fr
Craig Stevens選手、Klete Keller選手、Ian Thorpe選手、Erik Vendt選手らがA決勝で泳ぎました。レースはThorpe選手とKeller選手の一騎打ち。前半はKeller選手がThorpe選手にぴったりくっつき泳いでいました。目の前にあるClub Wolverineの控え席は、チーム全員が立ち上がってKeller選手を応援していましたが、最後の150mで少しずつ離されはじめ、Thorpe選手が3:46.60で優勝。
26.53 55.41 (28.88)
1:25.13 (29.72) 1:54.23 (29.10)
2:23.49 (29.26) 2:51.56 (28.07)
3:19.19 (27.63) 3:46.60 (27.41)
Keller選手が3:57.38で2位でした。
26.97 55.64 (28.67)
1:24.92 (29.28) 1:54.39 (29.47)
2:23.76 (29.37) 2:52.11 (28.35)
3:19.93 (27.82) 3:47.38 (27.45)
どちらの選手もネガティブスプリットで泳いでいます。
観客席もKeller選手の健闘に大喝采でした。Keller選手は自分のレースの前の妹のレースをプールサイドで見ていました。レースだけでなく表彰式も見ていましたので、100Frの予選のようにスタートに遅れないか心配するほどでしたが、妹に負けてはおれないと気合が入った結果かもしれません。
12日の決勝もNational Anthemから始まりました。今回は小学生くらいの子供のトランペット独奏でした。
女子200Fr
このレースもCoughlin選手の独泳。最初から飛び出し1:58.31で優勝。ダントツの泳ぎです。Petria Thomas(2位1:59.80 )やMartina Moravcova(3位2:00.98)もその他大勢に埋もれて影が薄いです。
男子200Fr
B決勝でKlete Keller選手が1:49.26の好タイム。このタイムはA決勝を含めても2位となるタイムで、Keller選手は今回好調のようです。A決勝はThorpe選手がこれまた独泳。他をグングン引き離し、1:45.63で優勝。
女子200Br
Tara Kirk選手が2:28.46で優勝。しかし最後の50mはガクッとスピードが落ちていました。この選手の泳ぎはキックよりプルで進んでいるという感じでした。
男子200Br
B決勝でEd Moses選手が鋭いスタートで先行し、2:15.39でそのままゴール。スタートのリアクションタイムは0.70でその後の一かき一蹴りの進みが良く、キックが聞いた泳ぎが印象的でした。しかしラスト50mでピッチは上がりましたが、スピードの方はあまり上がっていませんでした。A決勝ではJim Piper選手が唯一Moses選手を上回るタイムの2:13.43で優勝しました。
女子50Fr
Haley Cope選手が25.18で優勝。
男子50Fr
スタート前にスタート台をタオルで入念に拭いていたGary Hall選手が、隣のBart Kizierowski選手をタッチ差でしのぎ、22.26で優勝。
以上が観戦記です。
勝の結果は100Frが54.78(26.47-28.31)、200Frが1:58.52 (27.63-29.99-30.89-30.01)でベストは出ませんでした。反省点としては、大会の前日に泳ぐ時間を確保できなかったことで、調子が悪くなってしまったようです。また、初日はスケジュールが分からずアップの時間も混乱してしまったので、次回はしっかり確認しなければと思います。
帰り際にClub WolverineのJon Urbanchekコーチに勝の泳ぎのことを聞いてみましたが、「よく泳いでいたよ。この大会は普通の大会じゃない大きな大会だから、経験することが大事だよ。」とのことでした。泳ぎについては、「勝は片側だけで呼吸するのか？２−２−３、２−２−３と交互に呼吸した方がローリングのバランスが良くなると思うよ。」とアドバイスをいただきました。
番外編
昨年のAnn ArborでのGrand PrixでもUSA Swimmingのスタッフが、ビデオ解析をしていましたが、、オーストラリアも同じようなことをしていました。 |
